マグネットシートの異方性・等方性とは?違いや特徴、用途を解説

街中や自宅で使われているマグネットシートの磁石には、「異方性磁石」と「等方性磁石」の2種類があり、製造方法や特徴などさまざまな違いがあります。
この記事では、それぞれの特徴や用途、取り扱う際の注意点などを紹介します。マグネットシートの購入を検討されている方はぜひ、参考にしてみてください。
~目次~
- » マグネットシートの特徴
- » 異方性と等方性の違い
- » 異方性と等方性のそれぞれの主な用途
- » マグネットシートを購入する方法
- » まとめ
マグネットシートの特徴
マグネットシートの種類には「異方性磁石」と「等方性磁石」があります。この「異方性磁石」と「等方性磁石」にはどんな特徴や違いがあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
異方性磁石とは
異方性磁石とは、磁石粒子中の結晶のN極とS極の向きが一定の方向に整列していて、特定の方向にのみ強い磁力を発生させる磁石です。
現在普及している高性能な磁石の多くは異方性磁石が使われています。

等方性磁石とは
等方性磁石とは、磁石粒子中の結晶のN極とS極の向きがバラバラで、どの方向にも同じ力で磁力を発生させる磁石です。
等方性磁石は1つの磁石粒子の中にある結晶にランダムな磁化方向を持つものが含まれるため、成形時に外部から磁場を加えても磁化方向が揃わず、異方性磁石にすることはできません。

異方性と等方性の違い
異方性磁石と等方性磁石にはどのような違いがあるのでしょうか?異方性磁石と等方性磁石を比較して見ていきましょう。
磁力
厚さ1mmのマグネットシートの場合、異方性磁石は等方性磁石の約4倍の吸着力があります。
異方性磁石の方が、等方性磁石と比べて磁力が高いため、強度が必要な場合は異方性磁石が使われたマグネットシートの使用をおすすめします。
サイズや厚み
マグネットシートのサイズや厚みはさまざまで、等方性磁石は何ミリ・異方性磁石は何ミリと決まっているわけではありません。
サイズは小さければ接地面が少なく剥がれやすくなり、大きければ磁石本体の重さが重くなり剥がれやすくなります。
厚みはより厚い方が磁力も強くなりますが、磁力の強さや価格のバランスが良いことから一般的には1mm以下のマグネットシートがよく使われています。
異方性磁石のマグネットシートで人気の厚みは0.8mmで、等方性磁石のマグネットシートに比べて厚みがあることが多いです。厚みが厚いほど磁石自体の重さが重くなる上にコストも上がるのでバランスが良いのが0.8㎜ということになります。
等方性磁石のマグネットシートでよく使われている車の初心者マーク・シルバーマークなどは0.6mmが多く、郵便ポストに投函されることの多い水道屋や工務店のノベルティなどは0.4〜0.6mmが多いです。
取り扱う際の注意点
取り扱う際の注意点についてですが、異方性磁石も等方性磁石も基本的に違いはありません。
屋外や高温多湿の場所で使用する場合は、マグネットシート自体が変形したり、接地面から剥がれなかったりすることがあるので注意が必要です。
例えばマグネットシートを車のボディに貼る場合、ブロッキングという現象が起きることがあります。
ブロッキングとは、マグネットシートが車にくっついて剥がれなくなり、無理にシートを剝がすことで車の塗装面にマグネットシートの磁石が残ってしまったり、磁石の跡が付いて車の塗装面が変色してしまったりすることです。
ブロッキングを予防するためには、マグネットシートを貼りっぱなしにしないことが重要になります。特に真夏の暑い日が続くときは2〜3日に1回、違う場所に貼り替えることをおすすめします。
定期的な貼り替えと貼る場所を変更することによって日焼けによる色ムラを防ぐこともできます。
貼り替える際はマグネット面や貼り付ける場所の埃やゴミなどを綺麗に拭きとってから平らな面に貼るようにしましょう。凹凸のある部分に貼ってしまうと隙間から入った風でシートが剥がれ落ちる可能性があります。
真夏の車内はとても高温になるので、車内にマグネットシートを置いたままにしておくことも控えた方が良いでしょう。
また、パソコンや磁気カードなど磁気の影響があるものにマグネットシートを近づけると種類によっては磁気不良になる可能性もあります。磁気の影響を受けないように離して保管しましょう。
異方性と等方性のそれぞれの主な用途
異方性磁石と等方性磁石はそれぞれどのような用途で使われることが多いのでしょうか?主な用途について見ていきましょう。
異方性磁石の用途
異方性磁石は一定の方向に強い磁力があるため吸着力が高く、電化製品、工業製品など重量物を保持する用途や部品などに使われています。
等方性磁石の用途
等方性磁石は車の初心者マークや雑貨のマグネット、パネルボードやPOP等のディスプレイなどに使われています。
また、マグネットシートにはよく見る黒色のもの以外にカラーのものがありますが、基本的にカラーマグネットシートも等方性磁石になります。
マグネットシートを購入する方法
これまで異方性磁石と等方性磁石の特徴と用途について見てきました。異方性磁石と等方性磁石のマグネットシートはそれぞれどこで購入できるのでしょうか?
異方性磁石は主にネット販売やマグネット専門店などでの取り扱いとなりますが、一部ホームセンターや工具店に取り扱いのある所もあります。
等方性磁石は主に100円ショップやスーパー、雑貨店、ホームセンターなどで購入できます。
使用用途に合うマグネットシートはどちらの種類なのかよく確認して購入するとよいでしょう。
市販のものを探しても要望に合ったマグネットシートがないという場合もあるかもしれません。
マグネットシートキングでは社用車やノベルティなど広告宣伝に使えるマグネットシートをオリジナルデザインで作成することができます。
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まとめ
これまで等方性磁石と異方性磁石の違いやその特徴、用途について見てきました。
等方性磁石はどの方向も同じ力で磁力を発生させるため、付けはずしのしやすさ、身近なお店で手に入りやすいなどのメリットがあり、異方性磁石には等方性磁石にはない強力な磁力というメリットがあります。
市販品に希望のものがない場合はネットなどの専門店でオリジナルのマグネットシートを作ることも可能です。
磁石の種類とその特性を知ることで、より目的にあったマグネットシートを選ぶことができるでしょう。